「やっぱりなー、本気だったかー」


11月に入り街路樹が秋色に染まり始めた頃。

放課後のファストフード店でポテトを頬張りながら、くるみは嬉しそうに私を見つめた。


「相手が相手なだけに言いづらくて……」

「まあ、そりゃそうだよね」


相手が先生じゃね、と小声で話すくるみ。


実は今日、ついに校長室に呼び出しをくらった。

そこで、椎名先生との噂の真偽を確かめられたのだけど、私は一緒にいたことを認め、家出をしていた私を気にかけてくれたのだと説明した。

ただ、泊めてもらったことは話してない。

一緒にいなかったと嘘をつかなかったのは、椎名先生もそうすると思ったからだ。

椎名先生は正直に認めるはず。

それなら、私もちゃんと話す。

椎名先生の立場を、これ以上悪くしない為に。


とりあえず、私の話しを校長先生や教頭は信じてくれたのか、しつこく追求はせずに今後は軽率な行動は取らないようにと釘を刺されただけでことなきを得て。

ホッとしながら校長室を出た私を心配そうな顔で迎えてくれたのが、くるみだった。

その瞬間、もうくるみには全部話そうと決意したのだ。

そして、今に至るのだけど。

くるみは何となく気づいてたようで、特に驚いた素振りも見せずに納得していた。