大切に食べようとマカロンを見つめていると、椎名先生が「やっぱり、その方がいい」と、優しく目を細めた。

その表情にドキッとしながらも首を傾げる。

すると先生は体ごと私の方を向いて。


「俺は、宮原には笑っていてほしいんだ。悩みながらも前を向こうとするお前の明るさには、助けられているからな」


もちろん、無理はよくないが。

そう続けて、椎名先生は再び私に背を向けた。


……ああ、私、思ってたよりもずっと先生の事が好きだ。

私にとって先生がとれだけ心の支えになっているか、今、よくわかった。


先生の言葉には、きっと他意はないのだろうけど。

私を舞い上がらせるには十分な威力。


先生、誕生日を素敵な日にしてくれて



ありがとう。