「お前が椎名を好きのはお前の勝手だろ。だから、俺も勝手に好きでいる」


彼の曇りのない瞳は、どれだけ本気なのかを私に伝えていた。

先生を好きだから、悠馬の気持ちもわかってしまう。

だから、悠馬の想いを否定することも、拒否することもできない私は……


「ハゲさせたらごめんね」


おちゃらけることで、逃げた。

そんな私を責めるわけでもなく、お前もハゲろと乗っかってくれた悠馬は、本当に最高の幼なじみだと思う。


ふと気づけば、雨は止んでいた。