椎名先生は「突然だな」と言いながらも、私の思いに気付いたようで。


「……大丈夫だよ、俺は。それに、宮原には関係ない。だから、気にしなくていいんだ」


応え、冷静な声で私を突き離した。


関係ない。

そんなの分かってる。

先生の事を知りたくて、中途半端に踏み込んだのは私だ。

でも、それなら。


「じゃあ、何で話してくれたの?」


関係ないなんて言うなら、私に聞かれても話さなければ良かったのに。

お前には関係ないと、最初から突き離してくれれば良かったのに。


悲しくて、悔しくて。

椎名先生を見ていられず、視線を床に落とした直後──


「本当に……何でだろうな」


零すような声とともに、頭をくしゃりと撫でられた。

その行為に再び視線を上げると、椎名先生は緩く目を細め、そっと手を離す。

そのタイミングで、あの3人組が教室から出てきた。