「無理して心を病むことだってある。それで、更によくない結果を生むことも」


それはやがて、気遣うものへと変わり……


「時には頑張ることをやめてもいいんだ。大丈夫。お前は十分よくやってるよ、宮原」


口元を柔らかく綻ばせて、優しい声で言うから。


「……ありがとう、先生」


ずっと堪えていた涙が。


「ありが、とっ……」


溢れて、止まらなくなってしまった。

先生は何も言わず、ただ、泣いている私の頭を優しく叩き、撫でてくれて。

その優しさに、胸の奥がキュッとなった。


私の欲しいものを、先生はわかってくれてる。

甘えてもいいんだって、先生の手が、眼差しが言ってくれてる。


どうしよう。

私、先生がいつも側にいてくれたらなんて、憧れを越えた事を考えてしまってる。


どうしよう。



どうしよう。





椎名先生のことが



好きだ。