「先生……」


どうして、見つけちゃうかな。

前もそうだ。

私が弱ってる時に見つけてくれて。


「何か……あったんだな」

「……何もないですよ」

「そうやってまた、無理して踏ん張ろうとするんだな、宮原は」


頑張ろうと立ち上がる私を甘やかそうとする。

ダメだよ、先生。

甘やかさないで。


「いいんです。立てるうちはそうしないと。倒れたら大変でしょ?」


私が倒れて怪我をしたら、みんなに迷惑がかかる。

だから踏ん張って──


「倒れてからじゃ遅いんだ」

「……先生?」


その声は厳しく、けれど、咎めるのとは違う、悲しさのようなものを纏った声。