どうしてこの人がホッチキスを? なにに使うのだろう。 「今日部活ないから手伝う。」 「え…っ。でもそんな、」 初対面の人に、ノートを届けてもらった上にこんな雑用までやらせるなんて申し訳ない。 「このまま何もせず帰って間に合わなくて、 明日一条が怒られてたら寝覚め悪いし。」 意外に義理堅いタイプなんだ。 「ありがとう。」 相変わらずの真顔だけど、ちょっと下を向いている彼の耳はほんのり朱に染まっていて。 それがおかしくて、私はふっと笑った。 「それじゃあ、始めようか。」