俺のこと好きになればいいのに

あれ?

そういえば、あの藍佳が静か。

「藍佳?」

後ろを見てみると、スマホをいじりながらついてきている。

「...」

私の声に気づいてないのかな?

「藍佳~、ながらスマホ~」

そう言いながら笑うけど...

藍佳は、ずっと無表情。

「...藍佳?」

もう一度よんでみる。

「...あっ、え?なに?どしたのぉ~?」

...私にはわかる。

それは、無理をして作っている笑顔。

「藍佳...なんかあった?」

「ふぇ?」

すると、隣の愛美が

「...いいよ、行ってきなよ」

と、藍佳につげる。

藍佳は、一瞬迷ったけど

「うん...しおちん、初対面なのにごめんねぇ!」

そう言って、走ってどこかに行ってしまった。

「...藍佳...どうしたの?」

愛美は、何か知ってる。

「藍佳の彼氏...」

それは聞き取れないような、小さな声で。

「藍佳の彼氏が...どうかしたの...?」