俺のこと好きになればいいのに


登校中、いろんな人の視線を感じる。

そりゃ、こんな時間に

高校生が歩いてんだからな。

ま、いつものことだし、気にしねぇ。




――ガラガラッ...

「すんまーせん、寝坊しましたぁ」

堂々と入るのが、俺式。

「木田君、遅いわよ。早く自席に座って。」

担任の木村に、注意される。

...斎藤じゃなくてよかった...

斎藤とは...生活指導のおっかないじじぃ。

数学だ...。

ふと、昨日の女を見ると...

俺を見て、あからさまに嫌な顔をしてる...。


なんだよその顔。

気にせずに俺は女の隣の席へ。

一瞬目が合った。その目は

『なんで来んのよ』

とでも言いたげな...。