俺のこと好きになればいいのに



藍佳と別れて家に帰ると

「...!よっ、しお!遅かったな」

「えっ、なんで蒼也がいるわけ...?」

こいつは南蒼也(みなみそうや)。

私の幼なじみで、私の隣に住んでいる。

そして、

私が唯一話せる男子。

「来たかったから?」

そんな満面の笑みで...

「あ、そ...お茶しかないけどいい?」

「はぁ?俺が来たんだからジュースとかあんだろ?」

蒼也は、背も高く、

黒髪で、無造作にセットしてある。

違う学校だけど、サッカー部でエースなのは知ってる。

「そんなの用意してません!」

「えぇ...なんだよぉ...てかお前...」

「なに?」

「...ずいぶんと変わったな」

あ、そっか。

最後に会った時って

地味子のままだったっけ...?

でも、私が帰ってきた時、おどろかなかったな...。