初めての授業も終わり、放課後になった。

今日あったことを、帰路につきつつ振り返っていた。

初めてできた友達、楓。

階段から落ちた私を起こしてくれた河田君。

私をタイプじゃないと面と向かって言ってきた河田君。

そして、私の大好きな円城寺様にそっくりな河田君。

いろんなことが1度にありすぎて混乱してしまう。

とにかく早く家に帰って、録画してるアニメ観よう!

私は小走りで家まで帰った。


「ただいまー!って、誰も居ないよね。」

私の家は両親が共働き、お兄ちゃんは大学で県外にいる。

だから、安心してヲタクが出来るというわけです。

「はぁ、やっぱり円城寺様が1番ね…♡」

ひとりごとを呟きながら、画面の中に写る王子様をうっとりと眺めていた。