父とお母さんの出会いはお見合いだった。


父はあの有名な笹原財閥の次期社長。

お母さんは表では清楚な姫だけど裏では相当なヤンキーだったらしい。


まぁ、お見合いが終わって結婚することが決まってお母さんは族を抜けた。


結婚してからすぐに私の兄貴である真が生まれた。
兄貴の名前の意味は真っ直ぐ生きると言う意味らしい。


で、兄貴が生まれてから二年後私が生まれた。

名前は美歩。

お母さんがつけてくれた名前だからこの名前は大好き。


んで、私が生まれて一年後に妹の碧羽が生まれた。


私が小1の時から地獄の日々は始まった。


会社の会議で上手くいかなかったときがあった。

だが父は会社の人には怒らなかった。


皆の前ではいい人ぶってる八方美人っつー奴だ。


会社の失敗を兄貴と私と碧羽のせいにした。


兄貴と碧羽は平手打ちで終わったが私は違った。



顔を殴られ足を蹴られ頭を捕まれて壁にぶつけられてみぞを蹴られて
また顔を殴られた。


その時ゴッと言う音と共に口の中が鉄の味になって鋭い痛みが走った。


泣きそうになっても我慢をして殴られ続けた。

本来は真っ白だった壁は血が飛び散り赤くなっていた。



父も壊れたように笑い続けながら私を殴った。


気がすんで父は部屋を出ていった。


碧羽は大泣きをして兄貴はその場で固まって涙をながしていた。


私は表情を無くしていた。もしかしたら笑っていたかもしれない。


その場に私は倒れた。身体中が痛くて動くことも出来なかった。


私が意識を手放そうとしたらバンッと音をたてて扉が勢い良く開いた。



扉を開けたのはメイドの藍とお母さんだった。


この部屋を見てお母さん達は私の方に駆け寄ってきて


「何があったの!?」と聞いてきた。



私はこの事を言うと殴られると思ったから


「なんにもないよ。」


と優しく微笑んだ。


そしたら兄貴が


「父さんが。父さんが。」


続けて碧羽も


「お父さんがね。にーちゃんとねーちゃんとあおはをたたいたのっ。
にーちゃんとね、あおははね、すぐにね、おわったんだけどね…」


兄貴と碧羽も言ったから私も言った。



「私はお父さんに殴られて蹴られた。それだけだよ?」


「皆お父さんに叩かれたの!?」


「俺と碧羽は一発だけ…。でも美歩は…。俺、守れなかった…っ」


「にいちゃん。泣かないでよ。死んでないから良いじゃんか」


「そおゆう問題じゃねーよ。」


「藍。救急車呼んで。」


「はっ、はい!」


あの時のお母さんの目は怖かった。
人一人睨み殺せるぐらいの睨みだった。