「笹谷くん、自己紹介お願いね」 「はい……笹谷真です。よろしくお願いします」 ボソボソと自己紹介をする笹谷くん。 黒い前髪が目まで隠していて、 顔はよく見えないけど……間違いない。 笹谷真。 彼は中学2年の秋に引っ越していった、私の同級生だ。 「それじゃあ、空いているそこの席に座って」 「はい」 笹谷くんは、私の隣の空いている席に座るように促される。