「笹谷くんって友達つくるの苦手だっけ? 男子に声かけてこようか?」 「……」 「……笹谷くん?」 笹谷くんは私の顔を見ながらまばたきを繰り返している。 「……山下さん、変わったね」 「あっ……うん、そうだね……」 「友達は……いいよ。そこまで気を使わないでいいから」 「え……?」 「山下さんも、あんまり俺みたいな奴と話してたくないでしょ?」 「……」 これ以上話すことはない ……と言うかのように、 笹谷くんはお弁当に視線を戻し、食べ始めた。