暫くすると、入り口から小さな黒い影が近付いて来た。
その影は、小刻みに震えている。
私達の目の前でその影は止まる。
影の正体であるボブカットの女の子は、怯えたような表情で私達を見上げる。
因みにこの女の子、クラスメイトだけど、私達のグループには所属してない。
じゃあ、なんでここにいるかって…?
それは…
「ふーん…やっぱり、来たんだね。
…あんた」
舞華がそう言い、私とグループの1人である彩に目配せする。
それを感じ取った私と彩は、足早に背後にあった体育倉庫の扉を開けて
…中にある、バスケットボールが入った籠を運び出し、倉庫から出した。


