あれから一週間たった。


今まで待ち遠しかった悠斗からの電話もlineも一切出ないし、見ない。


こんな時幼なじみって不便で直接家に来たりするけど、出ない。


昨日、ドアノブに捨てたはずのお弁当箱がキレイに洗ってかけてあった。


『ごちそうさまでした。』


と悠斗の綺麗な字でかかれたメモといっしょに。


捨てたのに、食べたんだ。


私は胸がキュッとしてくるけど何も考えないようにした。


もう悠斗は忘れよう。


一度手を離したんだから。


私は悠斗がいつも家を出る時間を過ぎてから家を出る。


悠斗とは、会わないようにしていた。


はずだけど。


「麻紀。」


エレベーターを降りると悠斗がいた。


びっくりしたけど無視して歩き出す。


「おい。」


とか


「待てって。」


とか何度か呼ばれたけどずっと無視した。


そのうちため息が聞こえて、それからは呼ばれなくなった。


電車は今日も満員で私は押しつぶされそうになる。


悠斗はいつものように私を壁側に追いやって私の目の前に立つ。


何も言わないけど、ずっと私を見つめてくる。



そんなに見つめないでよ。


強がっているけど本当は。


まだ悠斗のことが好きだから。