「ほれ、出来た」
「うそ」
「何で嘘つかないといけないの」
「あはは、ごめんなさい」
本当だ。書いていたルーズリーフを見てみれば、綺麗に解かれている。
しかもめちゃくちゃ分かりやすく。
「あ、ありがと」
「いえいえ、お構いなく。あ、そうだ、名前なんだっけ?」
「や、山下千佳……」
「へー、そっか。じゃーね、ふぁ~、にしても眠い眠い」
彼は手を振ると、欠伸しながらその場から立ち去っていった。
これが、彼との出会いだった――……
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…