「だから、俺が言った言葉で山下のこと傷つけてたのかななんて思ったら、俺今まで何してたんだろうって、申し訳なく思った」
「わ、私傷ついてるとかそんなんじゃ」
「でも、俺の言ったこと、気にしてたのは確かでしょ? 俺の都合のいいように山下のこと、解釈してたわけだし」
言いながら、彼は笑顔を向ける。
やっぱり、いつもとは違う。少し違って寂しそうな、笑顔だった。
「だけど、これだけは言わせて?
昨日、山下は自分の意思じゃないって言ってたけどさ。それだってちゃんと自分の意思じゃん?
だって、実際山下は頑張ってる。俺は、そんな山下を見て、いいなって思ったんだから。
今からさ、見つければいいんだよ、やりたいことなんて」

