「あ、よかった、いた……」
ちっちゃく聞こえてきたのは、佐々木の声。
佐々木は、いつもと一緒だった。
「あのさ……」
帰り道、良いかな? と言われたので、私はこくんとうなづく。そうすれば、彼は話を続けてきた。
「ずっと嫌われてるんじゃないかって思ってて。
俺ばっかり一方的に話しちゃってるし、やっぱつまんないかなーって思ってたり。
だけどさ、本当は山下の反応を見るのが怖くて、ずっと一人しゃべってたの」
「……っ」
「だからかな、それで"楽しい"なんて言ってもらえたから、調子に乗っちゃって、告っちゃうし」
佐々木は、こっちを見て苦笑いしたかと思えば、急に空を見上げた。
空には、満天の星。

