「え」

部屋に入って出た最初の言葉がこれだった。


だって、「失礼しまーす」なんて言いながら扉を開けて中に入れば、私の方に向かって

ひゅるるっと何かが飛んできていたんだから。

そしてそれは、それが何なのかを頭の中で判断し終わる前に、額にトンッとぶつかってきた。

「い、痛っ」

「わ、命中!」

向かってきた先から、男子の声が聞こえた。

「め、命中って……」

「ごーめん、悪かった」

その人をみれば、あまりにも爽やかに笑いながら言うから、「おい、絶対このヒト悪いと思ってないよ」と心の中で突っ込んでしまった。



しかもこれ、模試の問題用紙じゃん……!

当たった紙ヒコーキを拾いながら私は一人ため息をついてしまう。