「気分転換に千佳も、花火見に行かない?」

夏休みも後半に差し掛かった頃。

今日は花火大会がある日。

しかも、塾から数分行ったところの海岸で行われるから、三十分くらい休憩しようとの提案なのだ。

「わたしはいいや、今キリが悪いから勉強しとく。皆楽しんできて」

「そっかあ、分かった」




部屋の中にいても、花火の音は聞こえてくるわけで。

少し気になってしまったから、わたしもみんなと見とけばよかったかなと少しだけ後悔した気持ちになった。

だから、余計にでもシャーペンを走らせることに集中することで、その時間を過ごした。