短編集

事情を聞き出そうと紫野は大西を探した。

すると、大西はあろうことか廊下で男子と楽しそうに会話していたのだ。

ただでさえ悩みごとを相談してくれずに自信喪失していた紫野には、大きなダメージだった。

我も忘れ大西の手をひくと、紫野は全速力で走り出した。

「?!ちょっと、紫野?!」

驚く大西にも構わず、誰にも見えない廊下曲がり角まで走りきった。

「はぁはぁ...どうしたの...いきなり....」

ようやく紫野が大西の手を離したところで大西が紫野に聞いた。

「お前、どういうつもり??」