一方その頃、その言葉を聞いてしまい困惑している人がいた。

中野宏太。
加藤とは過去にいろいろあったため、気にしていないふりをしながら、少し様子を伺っていた。
その中でのあの発言は、中野にとって気にならずにはいられない内容だったのだ。

(あんなやつなんて好きじゃない...か)

「おいー聞いてんのか?!」

ぼーっとしていたせいで友達の話を聞いていなかったようで、思わず声をあげて反応してしまう。

「おおっ?!...あー悪ぃ悪ぃ。もっかいはなしてくんね??」

「お前...大丈夫かよ」

「.....まー平気平気」

さっきのことも気になったが、それよりもいまはゲームの話を聞いていたほうが良いとおもい、中野は思考をやめて友達の方に向き直った。