走って、走って、ようやく止まったのは、足を木の根にひっかけ盛大に転んだからだった。 そこでようやく我に返る。 「いた・・・」 蜂ごときでこんなに気が動転してしまうなんて。 我ながら情けない。 いけない、皆のところに戻らなければ・・・。 もど・・・。 「ここ、どこ・・・」 いつの間にか山道を外れ、木の生い茂る森の中に迷い込んでしまったらしい。 人の気配はなく、誰の姿も見えないところまで来てしまっていた。 う、ウソ・・・。 もしかして、私、・・・・遭難!?