「穴……」



白兎を追いかけて
落ちてしまった
あの大きくて
不思議な穴?



あれはうさぎの穴
って言うんだ…?



でもなんで私が
穴に落ちたこと
知ってるのだろう?




「さぁ?」



背筋に冷たい汗が
さぁっと流れた。



猫は、この人は
私の心を読んでる…?




「……っ」



逃げなきゃ。


この人はなんか
危険そう。



いい人じゃない
かもしれない。



さっきのお花たちも
そうだった。



それまで仲良く
してくれてたのに
いきなり……



どうして私は
何度も偽りの
優しいに騙されて
しまうのだろう。