「痛みを感じること


傷を痛いと思うこと


傷から血がでること



立派な
生きてる証だ」




猫と名乗るその人は
にぃっと笑った。




「血がおいしいと
もっといい」





猫はアリスの目線に
しゃがみ込むと
ぺろりとアリスの
膝の傷を舐め始めた。



「やっ…!!
何するのっ」



アリスは足で
猫の顔を蹴ろうと
したがいかんせん
アリスの足を手で
押さえる猫の力は
強かった。




「やだっ。
いっ………たくない?」


膝の傷を直接
舐められているのに
痛みがない。


さっきはそっと
触れるだけで
痛かったのに。