放課後はいつも教室に真弥先輩が迎えに来る。
いつもどうり、教室で待っていても一向に来ない真弥先輩。
「こ、来ない…」
机に伏せる。
グルッと窓の方を見るとまだ騒がしい学校。
まだ、下校中の生徒はいるし、部活が始まってない部もたくさんある。
チラっと時計を見ると16時30分。
「ま、まだ全然時間たってないし、普通かな…?」
チラッと廊下を見るけどやっぱり、真弥先輩の姿はなく、女子生徒や、男子生徒、カップル達が歩いてるだけだった。
いつも「いちご、迎えに来た」って笑う真弥先輩が来ないとこんなに寂しいものなのか…
と改めて実感する。
「あれ、いちごまだ帰ってなかったのか?」
「あ、瀬名か」
クラスメイトの瀬名耀(せな ひかる)がサッカーのユニフォームを着てドアの前に立っていた。
「あからさまに嫌そうな顔すんな」
「そんな顔してないデース」
「棒読みだし、説得がまるでねぇ」
瀬名はロッカーからサッカーのシューズを取り出す。
「サッカー部なのにシューズ忘れてくとかダサいよ」
「うっせ」
瀬名は口を尖らせる。
「で、いちごは彼氏の真弥さん待ちですか」
ニヤァとする瀬名にイラつく。
なんだその顔はと思いつつも
真弥先輩の事を彼氏と言われたことに嬉しくて少しだけ顔が赤くなる。
「そうですー。」
「顔少しあけーぞ。」
さっきよりもニヤァと笑う瀬名。
「その顔、最高に不細工だよ。」
フイっと視線を外し言い放った。
「おいコラ。」