(一方、そんなことを知らないみなみは......)
「誰だっけ?さっきの胡散臭い奴。」
隣の華に聞く。
「はぁ!?正気!?!?マジで言ってる?」
でかい目を更にでかくし、睨まれる始末。
マジで言ってる?って......
ただ単に名前忘れただけなんですけど。
「知ってるよ。“王子様”でしょ?
だから、その王子様野郎の名前は?」
「なんだ、知ってんのかー!って!!!今井 叶多様よ!!!!......何、惚れちゃったの?さっき、優しかったもんねぇ~♪みなみ、振り払っちゃダメでしょ~?」
「......はぁ?」
「いいよいいよ。みなみは可愛いし、きっとこの学園で最強のカップルになるわ!」
うん、うん。と勝手に自己完結して妄想に浸っている華。
「華。妄想終わらせてください。あんの胡散臭い笑顔、マジで腹立つんだけど!!!そんな野郎とくっつくって?
やめてよ、ヘドが出る!!!」
授業中なのにも関わらず、さっきの出来事に腹をたてていた。