千佳がいう渡部という男子。
それは、確かに私のクラスにいる。

名前は渡部充(わたなべみつる)
確か部活はハンドボール部で、背は高くスラッとした体型、顔も悪くはない。学ランを着崩したスタイルでヤンチャ系男子とワチャワチャしている印象。
女子からの人気もあるそうだ。
と、誰かから聞いた記憶がある。

私は、彼を見て
まず仲良くはなれない。
仲良くしようとも思わない。

そう思ったのだった。


「あーー、、いるねーー、、」

「やっぱり!いーなー小栗!私、渡部君少し気になってるんだよねー」

私はなんとも言えない顔で千佳を見た。
千佳はニコニコしている。

「へぇー(感情は無し)」

「何!その反応!!」

「いや、別に、、私は興味ないから大丈夫!」

千佳はぷぅっと頬を膨らまし、私を殴る。
何気に痛い。

「もう!少しは応援してよ!!」


キーンコーンカーンコーン、

チャイムが鳴る。
私は千佳の言葉を流しながら、弁当をしまい教室に帰る準備をした。