傷む彼女と、痛まない僕。


 「小山くんこそ、僕の悩み馬鹿にしてるじゃん。 結構真剣に考えてるのに」

 小山くんを真似て、口を尖らせ返す。

 「だってオレら、どうせ死ぬんだよ?? どうせいつかいなくなるのに、意味なんかあんの?? 生きてる事に意味があるとしたら、死ぬ事にもなんか意味合い必要?? 『この人の為になら死ねる!!』ってテンション上がっちゃう人ってたまにいるじゃん。 『冷静になってよ。 アナタが命を捧げようとしているその人も、最終的には死ぬんだよ??』って思わない??」

 「・・・・・・」

 最早唖然。 僕、小山くんの事を勘違いしていたのかもしれない。

 「だから、楽しいのも悲しいのも苦しいのも、全部意味なんかないんじゃないかな。 意味がないんだったら、楽しんだモン勝ちじゃん??」

 ただ、それでもやっぱり小山くんの言葉は前向きだった。