「・・・話してくれてありがとうね、吉野さん。 ごめんね。 辛かったよね。 大丈夫だよ。 僕は誰にも話さない。 僕の親にも他言させない。 心配しなくていいからね。 ・・・だから、僕の事避けないで。 僕の両親に何を言われたか分からないけど、父親にも母親にも変な動きさせないから。 約束するから。 ・・・だって、嬉しいんだ。 吉野さんとこうして話が出来るようになった事」

 再び泣きながら、駄々っ子の様に吉野さんに訴える。

 「・・・泣き落とし、卑怯。 ・・・嘘。 ありがとう、北川くん。 ワタシも北川くんと話がしたい」

 自分も泣いているくせに、吉野さんは持っていた最後の1枚のティッシュで僕の涙を拭いた。 そして、

 『フッ』

 目と鼻を真っ赤にしたお互いの顔を見て笑い合う。