「無料で助けてもらおうっていうのが、虫が良すぎたんだと思った。 自分で弁護士を探してお願いしようと思った。 ・・・だから、バイト代は弁護士費用」
吉野さんの口から、ようやくバイトをする理由が明かされた。
この世に、弁護士費用を稼ごうとする高校生が何人いるだろう。 驚きと切なさで、胸が苦しく、痛い。
「手っ取り早く稼ぐ為に、キャバとか身体売ったりする事も考えたんだけどね。 ワタシ、こんなんでしょ?? 人と関わるのが苦手ってゆーか、興味ない話をずっと聞いてるのがしんどいってゆーか。 だから、キャバは無理で。 だったら、会話しないで済む売りでもしようかって思ったんだけどね。 やっぱ、どうにもこうにも気持ち悪いってゆーか。 知らないオッサンと・・・吐いちゃうだろうなって。 こういうシゴトを軽蔑する人って多いけど、ワタシは尊敬する。 自分には出来ないから。 相当の我慢を要しているんだから、大金を得て当然だと思う」
世間的に良しとはされないだろうけど、吉野さんが他人と接するのが不得意な性格で良かったと思った。
好きでもない男に、吉野さんを触って欲しくない。



