傷む彼女と、痛まない僕。


 「別に?? 同じクラスだった人たちとか、一緒に体育出てた人らはみんな知ってるから。 僕の病気の事。 ホントはバスケ部に入る事も場違いな気がしてたんだけどさ。 小山くんとか、吉野さんが背中押してくれてさ。 2人には本当に感謝してる。 2人に出会えて良かったって思ってる。 だって、初日でもう楽しいもん。 部活。 大崎さんっていう可愛くて優しいマネージャーにも会えたしね」

 大崎さんに笑いかけると、大崎さんは照れた様に少し顔を赤くした。

 「持ち上げても何も出ませんよ。 ・・・吉野さんって??」

 「あぁ。 同じクラスの女のコなんだけどね。 根は良い人なんだと思うんだけどね。 ・・・やる事がなかなかエグいってゆーか。 でも、言う事がたまに面白いってゆーか。 掴めないカンジの人」

 大崎さんに吉野さんの事を聞かれて、吉野さんを思い浮かべた時、吉野さんがアリを踏みつけている様と、フェイダウェイシュートをランナウェイシュートと間違えた事を立て続けに思い出してしまい、何とも収集のつかない返事をしてしまった。