「・・・罪滅ぼし的な??」
吉野さんは、僕らが初めて会話をしたあの日の反省をしているんだと思った。
「それもある。 ・・・今日さ、ワタシいっぱい良い事あったからさ、このアリたちの人生にもこのくらいのご褒美があってもいい気がしてさ」
あの頃には想像も出来なかっただろう、優しい眼差しでアリを眺める吉野さん。
胸がきゅうっとする。 愛おしくてたまらない。
思わず吉野さんの横顔にキスをすると、吉野さんが僕の唇が振れた箇所に手を置き、目を見開きながら僕の顔を見た。
「・・・北川くん、一人称が『僕』だから急にこういう事しない人だと思ってた」
「・・・何その『僕』に対する偏見。 じゃあ、今日から『オレ』にする」
「変だよ。 しっくりこないよ。 『僕』がいいよ」
「変て。 ・・・そうだね。 今更変えらんない。 恥ずかしい」
『クックックッ』と、二人で肩を揺らせて笑い合う。 何コレ。 カップルってこんなに楽しいもんだったの??



