決意を固め、吉野さんの手をぎゅうっと握ると、吉野さんも握り返してくれた。
「・・・僕さ、ずっとなんで僕がこの病気を持たなきゃいけなかったんだろうって、考えたところで答えなんか出ないものに怒りさえ持っててさ。 小学校の時とかさ、調理実習で茹でたてのじゃがいもを素手で掴んで皮剥いて、火傷してとんでもない水ぶくれ作ってたら女子にドン引きされるし、男子には『どうせ痛くないんだろ』って意味なく殴られるわ蹴られるわで骨折するしで」
吉野さんにもっと僕の事を知って欲しくて、吉野さんに出会う前の昔ばなしをしたくなった。
「・・・大変だったんだね」
「それなりにね。 でも、吉野さんに出会って初めて、この病気になったのが僕で良かったと思ったよ。 吉野さんに興味持ってもらえたし、吉野さんじゃなくて本当に良かったと思って。 だって、もし吉野さんがこの病気だったら死んじゃってたでしょ?? 出会った頃の吉野さん、超危うかったもんね。 僕の病気、羨ましがってたし」
チラっと吉野さんの方を見ると、吉野さんが『ははは』とバツが悪そうに笑った。



