「吉野さんは産まれてまだ17年しか経っていない。 ワタシの半分も生きていないんだよ。 そんな経験値の少ない人間が考え付く事なんて、たかが知れているんだよ。 たくさんの人間の見解を聞いて、その意見に惑わされたり流されたりするのはいかがなものかと思うけどね、自分1人で考えて、自分が不利になる答えしか見つからなかった時は、周りの人に相談して耳を傾ける事も大事なんじゃないかな。 だから今後、何かに迷ったり困ったりした時、ワタシたちに頼ってくれたら嬉しいなと思う。 遠慮はいらない。 これは息子との約束だから。 息子が守りたいと思った人の力になるのは、当然の事だから」
父が吉野さんに笑いかけると、瞬きをした吉野さんの両目から涙が流れ落ちた。
「・・・・・・そんなに甘えて良いのでしょうか」
甘え下手の吉野さんは、人に寄りかかる事に躊躇している様だった。
「もちろん。 いつでも大歓迎」
そんな吉野さんに母が近づき、吉野さんの肩を抱いた。
そんな光景に、あぁ、僕はこの両親の息子で本当に良かったなと心から思った。



