傷む彼女と、痛まない僕。



 「じゃあ、ワタシはお暇するわ。 吉野さんは無断欠勤した事をバイト先に謝罪に行きたいって言うから、これからワタシ1人で吉野さんの母親と話し合ってくる段取りになったわ。 ワタシが登場したからには、もう心配いらないわ。 ワタシの手にかかればこんな問題一瞬で解決するから。 と言うことで、待ち合わせに遅れたくないので、ごきげんよう」

 リビングに入った途端にワーっと喋るだけ喋って、本田さんは颯爽と家を出て行った。

 嵐の様に去って行った本田さんに、ただ茫然とする僕ら。


 「・・・吉野さん、ちゃんと全部話せた??」

 本田さんのペースに飲まれて、言いたい事も言えなかったかもしれないと吉野さんに伺うと、

 「うん。 余す事なく。 さすが弁護士さんだよ。 聞き上手だし話し易かったよ」

 吉野さんが、どこかスッキリした表情を浮かべた。