傷む彼女と、痛まない僕。


 「どうぞ。 僕の部屋はリビングを出て、突き当たりの右側の部屋です。 充電器は・・・多分、パソコンの近くに転がってるかと」

 特に散らかってはいないと思うし、おかしな物も置いていない為、素直に部屋を明け渡すと

 「いいの?? 勝手に誰かに自分の部屋に入られるの、嫌じゃないの??」

 父親に自室に入られ、嫌な思いをした吉野さんが申し訳なさそうな目で僕を見た。

 「うん。 構わないよ」

 『そんな顔しないで』と吉野さんの頬に触れると、『ごめんね。 ありがとう』と、吉野さんが僕の手を握った。

 吉野さんならいいんだよ。 吉野さんを助けられるならいいんだよ。 吉野さんの為なら、これくらいの事は屁でもない。