傷む彼女と、痛まない僕。


 「お母さんも本田さんの事知ってるの??」

 本田さんと父の様子をただ笑って見ている母に問いかける。

 「お父さんが大学生の時には、本田さんと本田くんのお兄さんはもう婚約されてたから、お父さんが本田くんの家に遊びに行くといつも本田さんがいたみたいでね、行く度にイジられ倒されてたみたい。 因みに、ワタシたちの結婚式にも来てくれたのよ」

 楽しそうに答える母にすかさず、

 「呼んでない!! 呼んでないのに『出席してやる』って上から目線で招待状の催促してきやがったんだ!!」

 父が過去の不満を爆発させた。

 「はぁ!!? ご祝儀にどんだけ色付けて包んでやったと思ってんのよ!!」

 立ち上がり、父に近づく本田さん。

 「出た出た。 20年も前の話を恩着せがましいわー」

 父の言葉に、『スパーン』と本田さんの平手が飛んだ。

 女の人にぶん殴られている父を・・・いや、そんな男を見たのは、ドラマ以外で初だった。