傷む彼女と、痛まない僕。

 
 「いいんだよ」

 それまで会話に全く入って来なかった父親が、突然声を出した。

 「キミが助けて欲しいと言ったんだ。 私たちに心を開いて、ある程度寄りかかってもらわないと、ワタシたちもキミに歩み寄れないだろう?? それにキミをちゃんと助けなければ、息子とキミが関わりを持ち続ける事に安心出来ない」

 「お父さんの言う通り!!」

 すかさず合いの手を入れる母。

 「お父さんの言う通り!!」

 なので、僕も被せてダメ押ししながら吉野さんの顔を覗き込むと、

 「・・・・・・好き嫌いもアレルギーもないです。 何でもおいしく頂きます。 ありがとうございます」

 吉野さんが、困惑しながらも笑顔で答えた。