傷む彼女と、痛まない僕。


 「キミのお父さんにやられたの?? キミ、学校は?? お母さんは今何をしているの?? 家の住所は??」

 吉野さんの思惑通り、警察官の質問は吉野さんに集中した。

 吉野さんは、警察官の質問に素直に答えるのだろうか。 助けを求めてくれるだろうか。

 「・・・住所はF町3-2-1です。 彼を巻き込み、怪我をさせてしまった事は、本当に申し訳なく思っています。 反省もしています。 でも、ワタシは犯罪を犯したわけではありません。 身元引取人が必要なら、母の仕事が終わる時間に連絡を取ります。 母の勤務先に警察から電話があったなんて事になったら、職場での母の立場も悪くなり兼ねませんから。 どうか、それで勘弁してもらえませんか??」

 やっぱり吉野さんは、救いの手を伸ばさなかった。