「そりゃ、小山くんの様子もおかしくなるよ。 『これから告白』って時なんだから」
「だから、そうとは思わなかったんだって。 心配になるレベルでしどろもどろだったんだよ、小山」
吉野さんの話から、小山くんのドキドキ感が充分に伝わってきて、これから自分も同じ事をするのかと思うと、急に自分の方までソワソワしてきてしまう。
「小山に会いに行ってる間に、父親に部屋に入られちゃって。 財布の中見られて、当然明細票も発見されて。 『通帳はどこだ。 印鑑を出せ。 暗証番号を教えろ』って」
吉野さんの父親が知りたがっていた事は、吉野さんのキャッシュカードの暗証番号だった様だ。
吉野さんの父親は、吉野さんが嫌な想いをしながらも一生懸命稼いだお金を取り上げようとしていた。
シゴトが上手くいかなかった。 家庭も崩壊した。 何も思い通りにいかない中、暴力さえ振るえば王様になれる吉野さんの父親。
怒りも当然あるけれど、吉野さんの父親を、哀れだなと思った。



