傷む彼女と、痛まない僕。




 行く当てもなく暫く歩いていると、川原に辿り着いた。

 土手に一旦吉野さんを座らせ、一休みする事に。

 「吉野さん、お腹空いてない?? 学校で小山くんにもらったやきそばパンが・・・」

 さっきの揉み合いでぐちゃぐちゃになってしまったカバンの中を、手探りしながらパンを探す。

 3日間お風呂にも入れなかった吉野さん。 もしあの地獄の様な時間が3日も続いていたならば、ご飯だってちゃんと食べれていなかったかもしれない。

 「あった」

 それらしい感触のものを発見し、取り出してみると、やきそばパンも見事にぐちゃぐちゃだった。

 「・・・一応、僕の母親が作ったお弁当もあるっちゃあるんだけどね、この調子だとそっちの方もご臨終っぽい」

 『コンビ二探してくるね』と立ち上がろうとすると、

 「パン、貰う。 ありがとう」

 吉野さんが、僕の手から元の形状を留めていないやきそばパンを抜き取った。