傷む彼女と、痛まない僕。



 「・・・吉野さん。 吉野さんのお父さんに散々失礼な事言った挙句今更なんだけど・・・ゴメン。 僕、この人ぶっ飛ばすね」

 僕は病気持ちだけど、病弱じゃない。

 今まで殴り合いのケンカなんか1度もした事ないけど、普通の高校生並には出来るはずだ。

 ただ、初めてだけあってやり方が分からない。 人に拳を向けるのも躊躇する。

 だけど、そんな罪悪感に後でどんなに後悔しようとも、今はどんな事をしても吉野さんと助け出したい。

 闇雲に吉野さんの父親のシャツを掴むと、吉野さんの父親は僕の反撃に少し怯み、腹部に隙を作った。

 『今だ!!』瞬間的に腕が反応し、吉野さんの父親の腹に拳を殴り入れた。