「吉野さんから聞きましたよ。 『父親が働かない』って。『自分勝手に独立したくせに、他人に頭を下げる事を恥だと思って、自ら仕事を取りに行かない』って。 ・・・何なんですか、それ。 そんな事がまかり通るのなんて、アラブの石油王くらいでしょうよ。 どんなに大企業の社長だって、会社を守る為に、事業を継続出来る様に、頭を下げながら仕事しているんじゃないんですか?? アナタのその考え方が、恥ずべき思考です。 家族に平気でこんな醜態晒せるくせに、中途半端なんですよ、変なプライドとやらが」
ぎゅうっと拳を握り締め、ゆっくり立ち上がると、
「学生のオマエに何が分かるんだよ。 何にも知らねぇだろうが!!」
僕の言葉に、こめかみに血管を浮かせた吉野さんの父親が、近くにあったテーブルを蹴り飛ばした。
僕の方に転がってきたテーブルを避けながら、吉野さんの父親に喰ってかかる。



