「・・・図星かよ」
どうやら僕は、嘘が下手くそらしい。 大ちゃんが、しょぱい苦笑いを浮かべた。
「・・・なんか、スイマセンでした。 北川センパイに告って振られた事が、悲しくて悔しくて恥ずかしくて・・・。 小山センパイのせいにでもしなきゃ、やりきれなかったんですよ、あの時。 後で『あんな事言わなきゃ良かったなー』って後悔したんですよ。 あ、告った事じゃないですよ!! 告白を『小山センパイにさせられた』的な事を言ってしまった事をですよ!!?」
ペコっと頭を下げては、自分を悪者にして僕と小山くんの仲直りを願う大ちゃん。
ほんの少しあざといというだけで、こんなにも優しい大ちゃんは、その性格を理解してもらえずに、周りの女子から疎まれている。
誤解を解く事の難しさを改めて思い知る。



