傷む彼女と、痛まない僕。


 「ケンカっていうか・・・。 でも、大ちゃんのせいじゃない」

 僕はただ、小山くんに大ちゃんへの謝罪をして欲しかっただけ。 でも小山くんの行動は、僕の態度に問題があっての事で。 
 確かに小山くんの気持ちを知りながら、吉野さんと2人で授業サボったりした事は無神経だったと思う。 だけどそこに、愛だの恋だのはなかった。 でも、それを証明する術がない。 小山くんに謝ろうにも、誤解の解き方が分からない。

 「本当ですか?? ワタシが『小山センパイに嗾けられて告った』的な事言ったから、北川センパイ、ワタシの事庇って小山センパイを咎めたのかと思いました」

 「イヤ・・・」

 大ちゃんに図星を射られてたじろぐ。