「・・・オマエと一緒にすんなよ。 オレは告った。 昨日、吉野と北川の様子見て、イライラしてモヤモヤして、部活終わってから吉野の家に行って告った。 ・・・振られたよ。 嬉しい?? 北川」
小山くんが、苦しそうな、悲しそうな、でも鋭い目で僕を見た。
そして、小さな溜息を吐く小山くん。
きっと小山くんは、僕の気持ちを見抜いたのだろう。
『嬉しい??北川』そう言われて、即座に『そんな事ない』と言えなかった。
正直、ホッとしたんだ。
吉野さんと小山くんが、付き合わなくて良かったと思ったんだ。
僕は恋をしない。 僕が恋をしたところで、吉野さんは恋をしない。 僕の恋など無駄でしかない。
だから、恋愛なんかしたくないんだ。
お願いだから、誰も僕の心を掻き乱さないでよ。



