傷む彼女と、痛まない僕。


 「・・・セコイんだよ、北川。 何でもかんでも病気のせいにして、初めから勝負しないんだもんな。 『僕は恋愛しない』とかほざいておきながら、じゃあ、もし吉野が北川に告ってきたとしたらどうする?? 付き合うんじゃないの?? 吉野が好きなら告ればいいだろ。 振られたって『病気だから仕方ないんだ。 病気が悪いんだ』って自分の事慰められるじゃん。 オレなんて、超健康体だから、そんな言い訳利かないもん。 自分に魅力がなかったんだって落ち込むしかないからな」

 白けた視線を向けながら、僕を罵る小山くん。

 ・・・ブチ。

 頭の中で何かが弾けた。 さすがに腹が立つ。 小山くんにそう言われてもしょうがない態度を取っていたとは思う。 だけど、僕の病気の事、良く知りもしないで好き勝手に言う小山くんに、怒りが沸き立つ。

 「セコイのはどっちだよ。 幼稚な企みに大ちゃん巻き込んで傷つけて。 結局自分だって吉野さんに告白してないんだろ??!」

 わざといやらしい、トゲトゲしい言葉で小山くんに言い返す。