傷む彼女と、痛まない僕。


 「・・・・・・そう、言ったじゃん」

 小山くんが、僕の方を見る事なく小さく答える。

 「・・・僕は恋愛をした事がないからよく分からないけどさ、誰かに告白するって、凄く勇気のいる事だと思う。 ・・・大ちゃん、昨日泣いてたんだよ。 小山くんの憶測で、大ちゃんの気持ち揺すって傷つけるのは違うでしょ?? 大ちゃんに謝って欲しい」

 小山くんの机に肘をつき、僕と目を合わせようとしない小山くんを覗く。


 「・・・・・・何それ。 じゃあ、北川もオレに謝ってよ」

 目を逸らせていた小山くんが、僕を睨み付けた。